呪術的攻防 [様々な仕事の方法]


ここに紹介するのは、モモル族とヌユルムナル族のシャーマンの呪術戦の模様を、エヴァンキ族のシャーマンが人類学者(多分)のA・N・アニシモフに解説したものです。
様々な精霊が登場する驚異の世界です。

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図の真ん中には川が流れていて部族を分けています。
下方のモモル族の土地の上部には、「土地の主」(5)、トナカイの「守護霊」(6)、「見張り」の精霊(7)がいます。

まず、上方のヌユルムナル族のシャーマン(14)とその助手(15)が、木に穴を開ける虫の姿の「攻撃霊(魔法の矢)」を、モモル族にめがけて送りました。
波線(16)が攻撃霊の進んだ道です。

「攻撃霊」は爬虫類の姿をしたモモル族の土地の「見張りの精霊」(7)の間を気づかれずに通り抜けて、モモル族の一人(17)の内臓に潜り込み、病気にします。
モモル族のシャーマン(21)は病気の原因を探って、カモ(23)とシギ(24)の姿をした「スピリット・ヘルパー」を患者に送りました。
実線(25)がその進んだ道です。

「スピリット・ヘルパー」が虫を取り出すために内臓にくちばしを突き刺すと、虫の「攻撃霊」は患者から飛びだして逃げます。

モモル族のシャーマンは新たな「スピリット・ヘルパー」を送って、ナイフと先の割れた形の棒の「スピリット・ヘルパー」(26)が「虫の攻撃霊」を捕まえます。

次にフクロウの姿をした「スピリット・ヘルパー」(27)が「虫の攻撃霊」を呑込み、冥界の淵(28)まで飛んで運び、穴から落としました。


次に、モモル族のシャーマンは報復に移りました。

彼は双頭のカワカマスの姿をした「攻撃霊」(29)をヌユルムナル族の一人(32)に送り、「攻撃霊」はその魂(34)を盗み出します。

一方で、ヌユルムナル族の「攻撃霊」に破られたポイントを、カラマツの精霊の棚(35)で防御を固め、割れた棒の「見張り」の精霊(36)をつけます。

最後にモモル族の霊のために動物の生贄を捧げ、その皮(38)を吊しました。

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