シャーマンの衣装 [イニシエーション]


アルタイやシベリアのシャーマンは、一人一人、儀式の時に使う特別な衣装を持っています。
衣装には、上下の服、マント、胸あて、帽子、頭巾、靴、装飾品などなどがあります。
そして、様々な飾り(金属製品や革製品)が付けられ、刺繍やペイントの絵が描かれています。

これらの衣装は、コスモロジーやシャーマンの身体の聖性を反映した、一種の身体曼荼羅のような存在です。
そして、ここには諸霊が招かれます。

以下、アルタイ、ツングースのシャーマンの一般的な衣装の特徴について、記します。

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*衣装を着たシベリアのシャーマンの絵


アルタイ地方のシャーマンの衣装は、全体として鳥を表現しています。
肩から垂れている総は翼、背中に垂れている長い帯条は鳥の尾を表しています。

これは、シャーマンが「パワー・アニマル」の鳥に変身したり、その力を借りたりして飛翔することを表現し、また、それを保証するものでしょう。


ツングースのシャーマンの衣装には、シャーマンの骨(骸骨)を表す金属製品などが付いています。

これは、おそらく、イニシエーションの時に、シャーマンの骨格が作り変えられて、特別な骨格になっていること、つまり、シャーマンの再生した特別な身体を表現しているのでしょう。


また、シャーマンの衣装には、悪霊を追い払うための象徴的な飾りが多数付けられています。

例えば、袖や背中に鈴やガラガラが付いていて、これを鳴らすことで悪霊を追い払います。
背中には金属製の弓矢などの武器が付けられています。
金属製のクマや鷲などの鉤爪が付けられています。
ユルゲン(天神)の娘たちのような主要な神霊の像が付いています。


シャーマンの衣装は、その宇宙観を表現しています。

衣装には、シャーマンが飛翔して体験した、世界やその精霊の絵が描かれています。

また、帽子には、天を表現する動物である猛禽類の羽などが付いています。
上着の肩にも、鳥や太陽の象徴品が付けられています。

一方、上着の下部や靴には、地下世界に関わる動物である、ヘビやクマを象徴する品が付けられています。

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*シベリアのシャーマンの衣装



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